馬尾神経炎は馬多発神経炎(Polyneuritis equi)としても知られ、馬においてまれに認められる非感染性の慢性再発性末梢神経変性疾患です。
馬尾は馬の尻尾に似ているため、「馬尾 」を意味するラテン語が使われています。この疾患は1897年にドイツの馬で初めて報告されました。
それ以来、ヨーロッパおよび米国中の馬で報告されており、馬の仙骨神経と尾骨神経(脊髄に位置する脊髄神経と脊髄神経根の束)を侵し、尾、直腸、膀胱の麻痺を引き起こします。
また、馬尾神経炎は、幅広い年齢層の様々な馬種やポニーに見られます。最近の研究では、馬尾神経炎はサルコシスティス・ニューロナ(Sarcocystis neurona)への感染と関連している可能性が示唆されています。
サルコシスティス・ニューロナは、馬原虫性脊髄脳炎(EPM:Equine protozoal myeloencephalitis)の原因となる寄生虫と同じです。しかし、馬尾神経炎の原因に対する従来の理論は、それが免疫介在性という説があります。
臨床徴候
馬における馬尾神経炎の最も一般的な臨床徴候は、知覚過敏(尾をこすり、触覚が過敏になる)、行動の変化、陰茎脱出、糞便貯留、膀胱炎、四肢の尿やけなどです。
骨盤肢の軽度の筋力低下、運動失調、後肢の筋萎縮が見られることもあります。
症状
●進行性の尾麻痺
●肛門を収縮させることができない
●運動失調
●筋萎縮
●頭部後屈
●便秘
●流涎
●尿失禁
●舌緊張度の低下
●後肢の筋力低下
●硬直歩行
診断
●病歴
●臨床兆候
●身体診察
●臨床検査
●X線撮影
治療
※レバミゾール塩酸塩治療
※抗炎症療法
直腸からの便の排出と膀胱からの排出
※抗菌薬の全身投与
膀胱膨満による膀胱炎がある場合
※支持療法
看護ケア
予後
不良。治療に関係なく徐々に進行します。

