特殊診断法
新しい理学的知識、技術の発達につれて、検査部位、目的などに合わせて、種々な眼科用器具、器材が考案され、ますます精密な診断が可能となりつつあります。
斜照法(oblique illumination)
本法を実施するには、特に暗室でなくても、うす暗い場所であればよい。被検眼の斜前方の光源からの光を集光して角膜、前眼房、虹彩、水晶体などの主に前眼部を斜めに照らし、これを肉眼あるいはルーペで観察するものです。
また同様な理論で、細隙より出た光束(細隙燈)で前眼部を照射し、これを双眼角膜顕微鏡で拡大観察する細隙燈顕微鏡検査法slit-lamp microscopyがある。
さらに、これに強凹レンズをつけて眼底まで見うるものや簡単な手持ち式のものなど種々のものが考案されていて、これらがなくては、虹彩などの詳細な検査はできないとされています。
検眼鏡法
1851年Helmholtz以来、検眼鏡は次々と改良普及され、その多岐な使用目的とあいまって、数多くのものがあります。
(ⅰ)徹照法(direct illumination):被検眼の瞳孔内に光を送りながら、網膜から反射する光で眼内を照らし、眼透光体に、とくに水晶体および硝子体の病変の状態を検査する方法です。もちろん、前眼部の病変も本法の所見を参考にできる。
(ⅱ)倒像検査法(indirect ophthalmoscopy):徹照法の際に被検眼からの反帰光の光路に適当な凸レンズを置くと、倒立した眼底の実像を結ぶもので、本法の場合は、拡大は小ですが、一時に見える視野が広く、その範囲も広いので、眼底の概観に便利です。
(ⅲ)直像検査法(direct ophthalmoscopy):これには手持ち検眼鏡や手持ち眼底カメラ(ジェネシス、コーワ)を用いる。これらに器械は角膜から眼底まで眼球透光体のすべての部分を観察することができます。
いずれも患眼に1~3cm位の距離に近づいて内部を覗き込む。右眼の検査には検者の右眼を使い、左眼の検査には検者の左眼を用いる。眼底は15倍ほどに拡大された直像としてみられる。
手持ち眼底カメラ(ジェネシス、コーワ)には、実験動物用(マウス、ラットなど)と動物用(犬、猫、牛、馬、ウサギなど)の2機種があり、それぞれカラー撮影用、蛍光撮影用の2タイプがあります。
前房隅角検査法(gonioscopy)
前房隅角は前房の最周辺部で、角膜周辺部と虹彩との間に挟まれた三角形の部分です。ここに強膜静脈叢(Schlemm 管)があり、房水は大部分ここから眼球外に出るので、眼内圧に重大な影響を持つものです。
角膜表面に水または、種々な型式のコンタクトレンズ(隅角レンズ)を載せてやると、隅角からの光を屈折させて、角膜外からその部を観察できる。
眼圧測定法(tonometry)
指圧法:眼瞼の上から、通常示指などを用いて眼球の上を転がるように指圧を加え、あるいは健康眼と比較しながら、眼圧を推定するものです。習熟するとかなり正確に、その異常を発見することが出来ます。
眼圧計:通常Schiøtz tonometerなどを用い、間接的な眼圧を測定する。動物はこれに抵抗するので、局麻剤などを使用して計測します。
網膜電図(electroretinogram)
刺激に対する網膜電位の反応を定量的に描写するもので、ある刺激を与えた後、明順応、暗順応によって変化する度合いを正常のものと比較するものです。
眼底が正常にみえて原因不明の視覚喪失などがある時、または眼内容が混濁して眼底が見えない時の網膜疾患の検査には欠かせないものです。

