PR

角膜の疾患(Diseases of the Cornea) ~ 伝染性角結膜炎・角膜混濁・角膜皮様腫・角膜ぶどう腫・角膜軟化

角膜の疾患(Diseases of the Cornea) ~ 伝染性角結膜炎・角膜混濁・角膜皮様腫・角膜ぶどう腫・角膜軟化 眼の疾患

 
 

伝染性角結膜炎(ピンクアイ)infectious keratoconjunctivitis(pink eye)

 
 
主として、牛にみられる伝染性の強い、特に若牛によく発生する結膜炎および表層性角膜炎を伴うものです。症状は羞明、流涙著明で、角膜炎から進行して、角膜ぶどう腫から全眼球炎にまで進行することがある。
 
 
通常、一眼が冒され、両眼のときもいずれか一眼の方が程度がひどい。伝染力は強く、患畜は群を離れ、数日の間に乳、肉の生産が大きく低下する。
 
 
致死率は低いが、処置が適当でないか、激症の場合は、角膜の白濁、血管新生などから、数か月の経過で失明にいたることがあります。原因体としてMoraxella bovisが、第一に挙げられていますが、この他ウイルス、Neis-seria、リケッチアなども関係があるという人もいます。
 
 
処置として、すみやかに患畜の隔離と媒介物(蝿、昆虫)の除去駆除、抗生物質、サルファ剤および局所麻酔薬、ステロイド剤あるいは他の抗菌性薬剤との混合薬剤を軟膏、散布剤、噴霧剤として投与する。局所の薬剤投与は5~6日間連続する。
 
 
慢性化したものには、硝酸銀5%液の数滴の点眼が有効であるとの報告もあります。抗生物質・ステロイド混合剤の結膜下注射も推奨されている。
 
 

角膜混濁(opacities of the cornea)

 
 
角膜の損傷、炎症、潰瘍などの結果生ずる瘢痕組織が原因で発生するが、その他に細胞浸潤、変性などが原因となり、まれに先天性のものもある。
 
 
一般に本病名は羞明、流涙、充血などの急性炎症症状を伴わない場合に用いられ、その程度により、①角膜片雲nebula(nubecula corneae)、微かに灰白色を呈し、斜照法によりはじめて認められる。
 
 
②角膜斑macula(mac-ula corneae)、比較的限界鮮明な半透明のもの、③角膜白斑leucoma(leucoma corneae)、はなはだしい白色不透明のものの3者に分けられる。
 
 
古い瘢痕性の混濁は境界鮮明な白色でやや光輝を有し、周辺に充血などの刺激症状がない。新しい混濁はやや黄灰色で境界不鮮明、表面がやや粗糙、水っぽい感じがある。周辺には充血、刺激症状が認められる。
 
 

治療法

①一般に新しい角膜片雲は回復の見込みがあるが、角膜白斑となったものは薬物療法がはなはだ困難です。②甘汞末の散布、ヨードカリ軟膏、黄降汞軟膏の擦入、ジオニン0.5~1.0%液、点眼などを気長に行う。

③コーチゾン5mg(1ml中)の点眼ないし結膜下注射は良効がある。④その他高張食塩水の結膜下注射、赤外線照射などは試みるべきです。⑤角膜移植は家畜では試験的域を脱していない。

 
 

角膜皮様腫(corneal dermoid)

 
 
先天性の異常で、結膜と角膜の境界付近に皮膚様組織が迷入し、時に毛髪を生ずる。馬、牛、犬などにみられる。
 
 
症状:角膜、結膜を刺激し、流涙、羞明、眼瞼痙攣を招き、時に結膜炎、角膜潰瘍を生ずる。
 
 
治療法:局所麻酔後、眼を固定し、基底部より切除するが、予後は必ずしも良好ではない。術後、硼酸、明礬水などで十分洗浄し、ペニシリン、テトラサイクリン軟膏などの塗擦を行う。
 
 

角膜ぶどう腫(staphyloma corneae)

 
 
角膜が混濁し、かつ薄くなって、内圧のため徐々に膨隆したもので、虹彩が角膜に癒着していることが多い。
 
 
感染、外傷、術後合併症、緑内障および先天的欠陥などが原因と考えられます。
 
 
症状は虹彩突出を伴う著しい疼痛、角膜浮腫、房水混濁、眼瞼痙攣などがあります。処置としては、クロラムフェニコールの点眼および全身投与、ステロイド剤投与、場合によっては、外科的整形手術を行うか、結膜皮弁術をほどこす。
 
 

角膜軟化(keratomalacia)

 
 
角膜の表面全体が混濁、肥厚、角化あるいは潰瘍をきたすことがある。ビタミンAおよびB群の欠乏によっておこり、犬でときどきみられる。他の治療法がどれも無効の時にビタミンA投与で効果を示す点が特異的です。

タイトルとURLをコピーしました