管骨瘤とは
管骨瘤とは中手骨に生じた骨瘤を総称していいます。
本症は馬特有の疾患であって、幼駒ではほとんどみられませんが、5歳以下の牡馬もしくは、いまだ化骨の十分完了していない馬の前肢にも多発する傾向があり、後肢に発生することはまれです。
骨瘤の発生部位によって、内側管骨瘤(medial splints)、外側管骨瘤(lateral splints)、後管骨瘤(posterior splints)、深管骨瘤(deep splintts)に分けられますが、他に外傷性管骨瘤(traumatic splints)が発生する。
管骨瘤の原因について
内側管骨瘤の発生することが多く(75%)、管骨瘤といえば普通これを指します。
管骨内側の上1/3の部分において、大中手骨と内側小中手骨との間に生じます。これは大中手骨と内側小中手骨とをつなぐ、中手骨列内靭帯(腕前骨間靭帯)が不断に機械的刺激を受けて炎症をおこし、ついで骨膜に波及して骨化性骨膜炎から骨瘤を形成したものです。
内側に特に多発する理由としては、腕関節内側の第Ⅱ手根骨(小菱形骨)はまったく第Ⅱ中手骨上に位置しているため、上からの体重圧はすべて、第Ⅱ中手骨上に落ちて下端の遊離しているこの骨を下方に押し下げる。
これに対して外側においては、第Ⅳ手根骨(有鈎骨)は、一部は第Ⅳ中手骨上に、また一部は第Ⅲ中手骨上に位置するので、第Ⅳ中手骨の受ける重圧は内側に比較して非常に少ない。
さらに外向蹄あるいは内蹄踵の削切不足のものにおいては、負重時に地面からの反衝が、蹄から腕前部の内側を経て強く上行する。
これらの内側に主としてかかる上下からの強い衝撃のために、管骨瘤は内側に発生する機会が多いと考えられています。
このほか、第Ⅱ中手骨の後角に生ずる後管骨瘤と、第Ⅲ中手骨の上端後面の繋靱帯起始部に生ずる深管骨瘤は、いずれも靭帯、腱および筋膜などの緊張牽引により、その付着部の骨膜に骨化性骨膜炎をおこして発するものです。
また外傷性管骨瘤は交突、打撲、蹴られるなどの原因によって発生します。
なお牛においても、非常に稀ではありますが、中手骨および中足骨に骨瘤を生ずることがあります。これは主として損傷や交突により、時に結核に由来することがあり、またフレグモーネの結果び漫性の骨瘤を形成することがあります。
