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心臓の疾患 ~ 検査法

心臓の疾患 ~ 検査法 心臓・血管およびリンパ系の疾患

 
 

検査法

 
 
心疾患を診断するために、次のような検査法を用います。
 
 
病歴の把握:心疾患は、どの家畜においても発見されますが、診療にあたっては、犬にもっとも多く見られます。先天性心疾患の場合は、一般に発育が悪く元気の良くないものが多い。
 
 
また心内雑音が聞かれ、呼吸困難やチアノーゼを呈するものがある。後天性心疾患として多くみられるものには、嚥下異物の刺入による牛の創傷性心膜炎や細菌感染による豚の心内膜炎および糸状虫感染による犬の糸状虫症および僧帽弁閉鎖不全症などがあり、これらは家畜の心疾患として重要なものです。
 
 
また慢性の気管支炎や気管支肺炎および肺気腫など、咳嗽の激しい場合に、肺性心の形で心疾患を発生するものがあります。心疾患がすでにあるもので、ナトリウムの多い食物を多く与えると、うっ血性心不全が促進され、また肥満犬に過度な運動を課すと心臓の負担を増加して悪い影響を与える。
 
 
失神は、犬糸状虫症で重度の血行障害のある場合および頻脈や徐脈あるいは心臓の刺激伝導障害のあるものに認められる。心因性咳嗽の場合は、一般に夜間の発作にはじまり次いで一日中続くようになります。
 
 
咳嗽の特徴は低い調子で共鳴し、発作の終わりにゲイゲイして嘔吐するものがあります。重度のものでは、呼吸困難を伴いチアノーゼを呈する。
 
 
以上のように、心疾患には特徴的なものがあるので、病歴の把握については正確に行う必要があります。
 
 
全身的所見:一般臨床所見の観察にあたって、とくに心疾患が疑われる場合は、次の事項に留意して観察を行う。
 
 
体重の減少や衰弱の有無および元気、食欲や動作の変化、呼吸状態とくに呼吸速迫や呼吸困難、腹式呼吸、咳嗽の有無を調べる。重度の場合は、頭をやや下げて口を開き(下顎を下げ)、浅表で速い呼吸を行い、前肢を開帳するものが多い。
 
 
粘膜や舌が青味をおび、チアノーゼを呈する場合は、血液酸素飽和量の不足を意味する。このほか、胸水や腹水の貯留、末梢静脈および頸静脈の怒張ならびに末梢性の皮下浮腫などの発生には十分注意する必要があります。
 
 

胸部所見

 
 
(ⅰ)視診:患犬では犬座姿勢を好み、ひじを外転させて起立する。とくに心肥大のものでは胸廓がやや広がり、心尖部の変位がみられる。
 
 
(ⅱ)触診:手のひらを心尖部に軽くあてると心拍動に一致して、触診可能な振動(振顫、thrill)にふれる。この最強部位や広がりの観察は診断上の意義が深い。
 
 
(ⅲ)打診:心疾患の場合、心濁音が拡大するものが多いが、X線検査などの所見を参考にしながら診断する。とくに心膜水腫や水胸の場合は注意を要する。
 
 
(ⅳ)聴診:異常心音や心雑音の性状とその発生部位について慎重に観察する。聴診は心疾患の診断と予後の判定上最も重要な検査です。

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