馬増殖性腸症(EPE)は、ローソニア・イントラセルラリス:Lawsonia intracellularisと呼ばれる細菌によって引き起こされる、若い子馬の重要な腸疾患です。
この病気は、1982年に初めて馬で報告されました。
EPEは世界中で見られ、北米、南米、アフリカ、オーストラリア、ヨーロッパで症例が報告されています。EPEを発症した子馬は、皮膚の下に顕著な腫れ(浮腫)が生じることが多く、特に前脚の間、仔馬の場合は陰嚢部、喉仏、そして時には脚の下部にも腫れが生じます。
その他の臨床症状としては、発熱(38.5℃)、食欲不振、毛づやの悪さ、下痢、疝痛、体重減少などがあり、他のいくつかの子馬の消化器疾患と似ています。
また、EPEを発症した子馬は、胃潰瘍、腸内寄生虫、気道感染などの疾患を併発することもあります。
伝播
ローソニア・イントラセルラリス:(L.intracellularis)は、感染した動物が糞の中に本菌を排出することにより、糞口経路で感染すると考えられています。
いくつかの家畜や野生動物が本菌の保菌者として知られており、最も重要なのはウサギ、イヌ、ネコ、マウス、ラットです。
豚の排泄物に触れることも馬の感染源となる可能性があります。L.intracellularisは、冬の季節には環境中で1~2週間生存することができます。
症状
●沈鬱
●食欲不振
●発熱 (38.5℃以上)
●前脚、喉仏、鞘、遠位四肢の間が腫れる
●嗜眠
●軽度から重度の下痢
●体重減少
●疝痛
診断
●病歴
●臨床兆候
●腹部超音波検査-腸壁の肥厚
●総蛋白 – 総蛋白値が低く、通常5.0g/dL以下、アルブミンが2.0g/dL以下。
●ローソニア・イントラセルラリス培養/PCR
●腸生検
●病理組織学的検査
治療
※支持療法
静脈内輸液、抗潰瘍剤、非経口栄養剤、血漿輸液
※抗菌薬
マクロライド系薬剤などを単独またはリファンピシン、クロラムフェニコール、オキシテトラサイクリン、ドキシサイクリンとの併用で2~3週間投与する。
予防
※ワクチン
※馬の近くに豚を飼わないでください。
※げっ歯類の適切な管理を実践する。
※バイオセキュリティ
予後
●適切な治療を受けた罹患馬の生存率は81~93%と報告されています。

