感染性の棘上滑液嚢炎は、一般的に「鬐甲瘻:キ甲瘻(きこうろう)」と呼ばれ、棘上滑液包(馬の肩の部分とその関連組織)の皮膚が様々な量の壊死を伴って大量の漿液が滲出し、膨張した瘻管になることが特徴です。
肥大した鬐甲瘻は、外傷またはフィッティングの悪い馬具の使用によって引き起こされます。
臨床徴候
臨床症状の発現は、通常、突然または緩徐です。
瘻孔形成の初期に最もよくみられる臨床徴候は、明らかな外部の瘻孔や滲出液を伴わない肩の位置に局所的な疼痛、熱感、腫脹が生じることです。
また、一部の馬は全身の硬直または嗜眠を同時に呈します。
いったんこの滑液包が破裂すると、瘻孔から膿性の滲出液が排出され、通常は複数の細菌が含まれます。
瘻孔を持つ馬から分離される最も一般的な細菌は、(スタフィロコッカス・アウレウス:Staphylococcus aureus)、(スタフィロコッカス属:Streptococcus spp.)、(アクチノマイセス・. ボビス:Actinomyces bovis)、および(ブルセラ・アボルタス:Brucella abortus:ブルセラ症の原因菌)です。
ブルセラ症は、世界中の家畜や野生動物に見られる発熱性の人獣共通感染症です。牛、羊、豚、山羊が最も一般的な感染種であり、馬に感染した場合、通常は牛と馬の混在と関連しています。
症状
●背中や肩に沿った孤立性病変
●肩の部分の腫れ、熱、痛み
●浸食された皮膚から肉芽組織の塊が現れる
●嗜眠
●全身性のこわばり
診断
●病歴:他の動物種と環境を共有している
●臨床兆候
●身体診察
●臨床検査
治療
※傷の洗浄と治療
※外用軟膏
※抗生物質
※手術
患部組織の根治的なデブリードマン(病巣清掃・壊死組織除去術)と、創傷の一次的な閉鎖を目的とした様々な再建手技
※クロファジミン
予防
※馬具が正しくフィットすることを確認する
※馬と牛を同じパドック、または以前牛が使用していたパドックで一緒に飼わないこと。

