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馬の大円虫症または硬口虫症 ~ 症状は特に幼駒に著しく、幼駒の下痢症の原因として重要

馬の大円虫症または硬口虫症 線虫類

 
 
症状をみることは少ないが、病原性の強い普通円虫、無歯円虫の寄生が重要です。重度寄生によって食欲不振、衰弱、栄養障害、発育不良、抑うつ、発熱、粘膜蒼白、下痢、間歇性疝痛、腰痛、赤血球数減少、白血球数増加、低蛋白血症、低アルブミン血症、高グロブリン血症、A/G低下などの症状がみられます。
 
 
症状は特に幼駒に著しく、幼駒の下痢症の原因として重要です。1969~1971年をピークに北海道日高地方の2~12ヶ月齢の幼駒に発生した発熱、疝痛、下痢を主徴とした疾病は普通円虫に原因するものであり、高い死亡率が報告されています。
 
 
普通円虫の幼虫に原因する動脈瘤は血塞疝の原因となります。
 
 
寄生性動脈瘤の発生は全馬の90~94%に達しますが、それに起因する疝痛はあまり多くない。すなわち、動脈瘤は腸管に分布する神経に作用し、腸重積、腸嵌頓(かんとん)、腸纏絡(てんらく)などをおこしやすい素因となりますが、直接の原因とはならない。
 
 
また、動脈瘤の一部が剥離して腸間膜動脈に塞栓を生じ、腸壁の乏血、腸蠕動の減弱をきたし、腸内容の停滞、腸嵌頓の原因となることもありますが、これはとても大きな動脈に生じない限り、直接に疝痛性疾患の原因とはなりえません。
 
 
無歯円虫の幼虫による被害は少なくはありません。放牧の幼駒に漸次増進する貧血と栄養障害とを発生し、下痢、疝痛症状を呈します。
 
 
また腹膜炎のため体温上昇し、右側膁部の圧診に当たり特に過敏なことがあります。脈拍、呼吸ともに増数し、脈性弱く、可視粘膜は蒼白または不潔黄色となり、まれに小赤斑が散発し、食欲不振、元気消失となります。
 
 
急性症はまれに数日の経過後に死の転帰をとるが、多くは数週間後に次第に回復します。しかし、貧血、虚脱に陥るものも少なくない。
 
 

馬の大円虫症または硬口虫症の予防

 
 
大円虫類の虫卵は外界の環境条件に対して抵抗力は小さいが、幼虫形成卵はそれよりも抵抗力があります。3期幼虫は抵抗力がおおきく、3ヶ月間は生存し、無歯円虫と普通円虫の3期幼虫は氷結下でも約1年間生存します。
 
 
休牧期間は少なくとも3ヶ月を必要とします。感染3期幼虫の行動から、幼虫は朝夕、草の葉の先端に登るので感染の機会がふえます。
 
 
馬は一般に糞便周辺の草を食べないので、糞塊から水平方向に移動しない感染幼虫を摂取することは少ないが、過放牧では感染の機会がふえることになります。
 
 
小放牧地では糞便を除去します。また、牛などの反芻獣と交互放牧や混合放牧も防除に有効です。
 
 
成馬は6~8ヵ月間隔で駆虫薬の投与を行います。子馬は生後6ヶ月齢に初回の駆虫を行い、1ヵ年間は1.5~2ヵ月間隔で駆虫をおこなうとよい。
 
 
また子馬への感染の主因が母馬にあるから、妊娠馬は分娩前2ヶ月に駆虫剤投与を行います。
 
 
牧野の汚染を防止するために、入牧前および入牧後も定期的に駆虫薬投与を実施し、また、牧野の耕作、休牧をおこなうのもよい。
 
 
感染源対策として、糞便は堆肥として積み、よく切換えを行って発酵、発熱させ、良く熟させた後に、牧野、採草地に施肥します。またパドック内の糞便処理も適切に行います。

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