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毛様線虫症(症状・予防) ~ 毛様線虫症は生後3~9ヶ月齢の幼獣に重要

蛇状毛様線虫 線虫類

 
 
毛様線虫症は生後3~9ヶ月齢の幼獣に重要であり、成獣では免疫によって感染は低下し、重度発症をみることはありません。
 
 
Trichostrongylus属は小腸、第四胃に寄生しており、粘膜に充血、出血、びらん、浮腫が認められますが、多数寄生がなければ著害はない。
 
 
成羊では軽度の胃腸カタールから軟便を呈するにすぎませんが、離乳前の幼羊では感染6~7週後に下痢を発し、初期には軟便程度ですが、速やかに粥状便から水様性になります。
 
 
症例によっては糞は暗緑色を帯びる下痢となり、黒痢(black scour)と呼ばれます。
 
 
下痢に伴って食欲は不定となり、消化吸収障害と粘膜からの蛋白喪失によって削痩し、、後期にはかなりの貧血を呈し、まれに浮腫も認められます。
 
 
このような慢性経過をとるのがふつうですが、急性死をきたす場合もあります。急性経過例では、貧血もなく、栄養の急変もありませんが、急に起立不能に陥ります。
 
 
これは恐らく、虫体の産出する毒素の作用であろうと考えられます。
 
 
明らかな症状が認められるためには、幼羊で少なくとも2,000匹の寄生が必要であろうといわれるが、1~2万匹の虫体を宿す幼羊は珍しくはありません。
 
 
Cooperia属の寄生虫は小腸粘膜に穿入して寄生しており、吸血も推測されます。小腸上部の粘膜には充血、出血、潰瘍が認められます。
 
 
軽度寄生では影響はありませんが、重度寄生で下痢、食欲不振、削痩がみられ、Trichostrongylus属の症状に似ていますが、貧血はやや高度に現れます。
 
 
Nematodirus属の線虫は小腸に寄生し、粘膜に肥厚、浮腫、絨毛委縮がみられます。症状はTricho-strongylus属の場合に類似し、食欲不振、下痢、体重減少がみられます。
 
 
紅色毛様線虫は豚の胃粘膜に寄生して慢性胃炎を発生します。軽度寄生では胃粘膜は充血し、厚い粘膜層に覆われ、重度寄生では粘膜は肥厚し、充血と潰瘍、浮腫性で、硬い偽膜に覆われています(ジフテリー性胃炎)。
 
 
症状は食欲不振、貧血、下痢であり、胃出血による下血から糞は黒褐色のタール状便となります。幼豚では発育不良もみられます。
 
 
また、幼豚では伝染病のように流行することもありますが、おおくは無症状に経過し、他の原因により抵抗力の低下した場合に発病するのがふつうです。
 
 

毛様線虫症の予防

 
 
虫卵から孵化した自由生活期の幼虫の抵抗力は種によって異なります。
 
 
Trichostrongylus属の成熟幼虫は粘質土中で8.5ヶ月、砂土中で5ヶ月生存するといわれますが、自由生活期幼虫は低温には比較的弱く、冬が厳しくて長い地域では越冬できませんが、温暖な地域では越冬すものがあります。
 
 
T.colu-briformisの幼虫形成卵と3期幼虫は乾燥に対して抵抗力があり、したがって乾燥した糞便中で長く生存し、降雨があると多くの感染幼虫が現れます。
 
 
Cooperia属も氷結と乾燥には弱く、温帯地域北部では越冬が難しい。
 
 
これに反して、Nematodirus属の幼虫は卵内で3期幼虫まで発育し、長期間このままの状態でいるので低温に強い抵抗力を持ち、-6.5℃で5ヶ月半、-10℃で2週間も生存します。
 
 
また、乾燥にも強く数か月生存します。
 
 
Nematodirus属は年に2世代以上は繰り返すことがないので(N.spathigerは例外で5~6世代)、この属の線虫による牧野の汚染は遅く、古い牧野に寄生率が高い。
 
 
野外で越冬した虫卵は平均気温10℃になると急に孵化するので、春に感染の危険が高くなります。したがって、これらの線虫の予防には牧野を清浄に保つのが最も重要であり、それには保虫動物を入牧させない注意が必要で、入牧前の春、夏、終牧後の冬に定期的な駆虫を行うのが良い。
 
 
また、牧野管理も重要であり、予防効果もおおきい。

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