有機リン剤は、その中程度毒性化合物の徐放性製剤や低毒性化合物が駆虫剤として用いられています。
体内動態
有機リン化合物は吸収性のよい化合物です。低毒性有機リン化合物は吸収されてから小腸内に再分泌されます。しかし再吸収もされるので大腸内濃度は一般に低い。
徐放性製剤では消化管を通過する間に徐々に薬物が放出され、管内の寄生虫に作用します。放出された薬物は吸収もされるが少量であるから肝の1回通過で分解されてしまう。
駆虫作用
線虫類での神経筋伝達物質はアセチルコリンであり、有機リン化合物によってその分解が阻害されると脱分極性の運動麻痺を起こすと説明されている。
線虫類のコリンエステラーゼと有機リン化合物との反応の研究によると、一部の種の寄生虫のエステラーゼには非可逆的に働き、一部の種のエステラーゼには可逆的に働く。
有機リン化合物は非可逆的に働くエステラーゼを持つ種だけに有効です。
哺乳動物では中程度・低毒性有機リン化合物を体内で速やかに分解するし、コリンエステラーゼとの結合も一般に可逆的です。
しかし、決して安全域の広い薬物ではない。鳥類に対しては毒性が強いので用いられない。
ジクロルボス、カルクロホス(dichlorvos,calclofos)
カルクロホスはジクロルボスのカルシウム錯体であり、ジクロルボスになって働くので同一の薬物とみなしてよい。両者とも中程度毒性化合物であり、ポリ塩化ビニルと混合してペレットに成型した経口投与用の徐放性製剤として用いる。
消化管内寄生虫の多くに有効ですが、体内移行中の幼虫には無効です。
犬猫では回虫、鉤虫に高い駆虫率を示す。また鞭虫にも多少は有効です。豚では回虫、腸結節虫、鞭虫に有効ですが、その他の寄生虫には有効性が低い。
馬では円虫類、回虫、蟯虫に有効であるほか、馬バエ幼虫に著効を示す。反芻動物や鳥類には安全域が狭いので用いられない。
カルクロホスはジクロルボスのカルシウム錯体であり、ジクロルボスになって働くので同一の薬物とみなしてよい。両者とも中程度毒性化合物であり、ポリ塩化ビニルと混合してペレットに成型した経口投与用の徐放性製剤として用いる。
消化管内寄生虫の多くに有効ですが、体内移行中の幼虫には無効です。
犬猫では回虫、鉤虫に高い駆虫率を示す。また鞭虫にも多少は有効です。豚では回虫、腸結節虫、鞭虫に有効ですが、その他の寄生虫には有効性が低い。
馬では円虫類、回虫、蟯虫に有効であるほか、馬バエ幼虫に著効を示す。反芻動物や鳥類には安全域が狭いので用いられない。
低毒性有機リン化合物
ハロクソン(haloxon)やクマホス(coumaphos)が反芻動物用に飼料添加投与する線虫駆虫薬として国外で用いられています。牛では胃や小腸に寄生する線虫に対して有効ですが、大腸に寄生する線虫には無効です。
しかし、①他の駆虫薬より安価であり、②防除的用法では完全駆虫が必要でなく、特に大腸寄生線虫による病害がなければ十分な目的が達せられる。
したがってフィードロットにおいて多く用いられる。

