眼窩の外傷(traumatic injuries of the orbit)
原因:衝突、打撲、転倒、蹴傷、咬傷、褥瘡などによっておこることが多い。しかし犬、猫では犬歯、臼歯の歯根の疾患から、また口内からの異物によって、まれには涙腺の疾患が眼窩まで波及して、発生することもある。
これらの原因によって、皮膚の擦過傷、挫傷、眼窩内結合織の蜂窩織炎、さらに眼窩突起あるいは、涙骨突起の骨折まで、種々の損傷が発生する。
症状:障害の程度によって差がありますが、眼窩領域の皮膚の腫脹、圧痛、膿瘍形成、結膜の充血、羞明、流涙などが現れる。眼窩の骨折は複雑骨折であることが多いが、単純骨折でも、しばしば眼窩の変形、眼球突出、眼瞼閉鎖不全がおこる。
眼窩低の骨折は視神経の圧迫を招く。
眼窩および眼球の広範な損傷は、馬では重篤な症状を惹き起こすことがある。挫傷によってショックまたは振盪に陥ることがあり、骨膜炎がおこれば膿瘍を形成し、蜂窩織炎が眼窩低、視神経、脳にひろがり脳膜炎に終わることもあります。
また蜂窩織炎が顎関節に波及して、採食困難に陥ることもあります。犬では通常著しい元気沈衰、食欲消失が観察されます。
予後:馬では予後が疑わしい例が多いが、犬では重度の骨折を除いて比較的良好です。
治療法:外傷に対する局所の処置(創の清浄化、壊死組織除去など)および化学療法をほどこし、眼帯を装着する。眼窩の骨折がある場合でも、眼球の損傷が軽少な時はしばらく保存的治療を続け、必要があれば後日骨片の摘出などを行う。
馬には破傷風抗血清を注射することを忘れてはならない。
眼窩内の異物(foreign bodies in the orbit)
犬、猫で口腔にはいった針が臼歯で噛まれた硬口蓋を抜けて眼窩にはいり、そこに化膿巣を形成することがある。X線検査によって確認されます。
時には大麦の芒が咽頭または瞬膜下から潜入して眼窩に達し、化膿巣をつくることがある。また空気銃弾が眼窩に入ることもあります。
眼窩の腫瘍(neoplasms of the orbit)
脂肪腫は馬、犬、牛で観察され、眼筋の間に存在します。身体の他の部位にも同時に発生しているのが普通です。眼球突出があり、時には斜視を伴う。
その他の良性腫瘍としては線維腫、乳頭腫、類皮腫がある。
悪性腫瘍のうちでは、扁平細胞癌が牛に多発する。その他肉腫、黒色腫、骨肉腫、リンパ肉腫などが報告されています。

