耳瘻(fistula of the ear)
多く馬に発し、耳介根部(耳輪脚crus helicis)の皮膚皺襞に瘻管が開口し、たえず粘稠な飴様の液を漏すものです。本症は胎生時の奇形にもとづく先天性瘻管で、開口部から皮膚が迷入し、時には底部に迷入歯をみることがある。
瘻管壁を切開して迷入した皮膚を剥離摘出して縫合する。
瘻管底に迷入歯などがあれば摘出する。
犬の耳の形成術(otoplasty)
耳は単に聴覚器官としてのみならず、犬などの愛玩動物ではその美しい形、敏感な動きについて、これまでもいろいろな要求がなされ、整耳ないし断耳ear trimming or ear croppingが考えられてきました。
もともと、これについては闘犬、狩猟などの際の外傷予防のため予防医学的見地から行われたともいわれるが、現在では一般に展示会(ドッグショーなど)のルール以外にはなんら特別な規制がある訳でなく、また各国によって、動物愛護の見地からさまざまな意見があり、本邦における獣医学的技術としての位置づけに関しては、今後検討の必要があるでしょう。
断耳術(ear cropping)
ボクサー、ドーベルマン、グレートデーン、ボストンテリヤ、マンチェスターテリヤなどの特定の犬種では、多くの国において長年にわたり断耳を実施する習慣がありました。
しかしながら、この手術は医療上必要なものではないうえに、人間の好みで不必要な苦痛を動物に与える手術であるとの批判が近年とみに強くなり、現在ヨーロッパでは、この手術の実施禁止を申し合わせている獣医師会が増えている。
本手術は、一般に頭部の発育もかなり安定し、軟骨の発育も旺盛な9~12週齢頃が手術実施に適当とされる。さらに必要とあれば、個体の健康状態を考慮して、その時期を変更する。
また、当然それぞれ犬種の標準の型、嗜好、顔の形なども考慮して断耳手術を実施するのです。処置の際には次のような諸点に留意しなければなりません。
②断耳手術後の縫合失宣による多量の肉芽形成はしばしば垂れ耳の原因となる。
③術後の管理には手術実施と同じような注意が必要
④手術による耳の形の不良、あるいは耳の長すぎは垂れ耳の原因となる。
⑤その他、手術手技の不良から耳軟骨骨折、形容不良を生ずる。
整耳術(ear trimming)
たとえばシェパードの耳の尖端が折れ曲がっているとか、コリーの耳の先端が折れていないとか、犬種による形容の不良malformationは、美容形成外科cosmetic surgery上、問題とされることがある。
もちろん犬種にもよるが、両側性あるいは一側性に、折れ耳overhead ear、垂れ耳droopy ear、捲き耳curled earなどがみられることがあります。
これらはいずれも、原因が全身的なものから局所的なものまではなはだ複雑多様で、飼養管理・環境の状態、栄養状態、年齢時期の問題、あるいは手術術式、術後管理、疾病の状態などに広範囲に配慮して処置することが肝要です。
