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肝臓の疾患(diseases of the Liver) ~ 肝膿瘍・肝の腫瘍

肝臓の疾患(diseases of the Liver) ~ 肝膿瘍・肝の腫瘍 肝・胆嚢・脾および膵の疾患

 
 

肝膿瘍(abscesses of the liver)

 
 
肝膿瘍は牛でよく見られる。尖鋭な嚥下異物が肝臓に刺入して、創傷性肝炎がおこりますが、この場合、化膿桿菌Corynebacterium pyogenesなどの限局性の感染によって、肝膿瘍が形成される。
 
 
大きさは粟粒大から人頭大におよぶものがある。壊死桿菌Fusobacterium nec-rophorumによる場合は、クルミ大のものが全面に散在していることが多い。
 
 
急性または慢性経過をとり、発熱や元気食欲の不振がみられ、白血球増多症を呈する。小さい膿瘍では次第に器質化が進んで瘢痕化し、あるいは石灰沈着をきたして限局性に治癒し、またしばしば胆管から膿を腸へ排出して治癒するものがあります。
 
 
しかし膿瘍が破れて腹腔内に排膿するときは、化膿性腹膜炎を招き、また大きな膿瘍あるいは多発性のものでは、元気食欲が次第に衰え、削痩して敗血症に陥り、予後不良になる傾向があります。
 
 
犬・猫においてもまれに肝膿瘍を発生することがあります。牛と同様に消化器からくる異物の刺入にもとづくものもありますが、化膿菌や大腸菌が消化管から吸収され、門脈を経て肝臓内に流入して肝膿瘍を形成する場合もある。
 
 
転帰もおおむね牛に類似しますが、犬・猫の場合は早期に診断して、開腹手術により、またその疑いのあるものでは診断的開腹によって発見し、肝膿瘍の直達療法や肝葉切除術が行われ、しばしば治療の対象となる。
 
 

肝の腫瘍(neoplasms of the liver)

 
 
肝臓は腺組織であるから、しばしば腺腫や癌腫の発生が見られる。
 
 
いずれも肝細胞由来のものと胆管上皮由来のものがあり、前者は牛に、後者は犬・馬に見られ、まれに豚にも発見される。
 
 
これは単発あるいは多発し、通常は肝門リンパ節に転移し、まれに肺臓に転移するものがある。一般に転移性のものや癌腫は予後不良です。
 
 
リンパ肉腫は、肝臓の中央部に黄白色髄様腫の瘤を散発する悪性腫瘍で、牛に多発し、豚にもみられますが、他の臓器への転移性が強く、いずれも予後不良です。
 
 
肝臓白血病は、牛および鶏に多発し、肝臓組織内にリンパ細胞(リンパ性白血病)あるいは骨髄性細胞(骨髄性白血病)の汎発生浸潤が見られ、同時にリンパ節や脾臓に変化が現れ、いずれも予後不良です。
 
 
このほか、犬の可移植性性器肉腫や乳癌の罹患犬では、肝臓に転移する例があるので、それぞれの摘出手術後における経過の観察は慎重に行う必要があります。

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