悪性骨腫瘍について
悪性骨腫瘍のなかで、家畜に多発するものは骨肉腫(osteosarcoma)です。
これには、造骨性骨肉腫(osteoplastic osteosarcoma)と軟骨肉腫(chondrosarcoma)があります。
骨肉腫は壮老齢の犬、とくに大型犬の四肢の長骨・肋骨に発しやすく、通常悪性度が高く、しばしば肺に転移し、動物は悪液質に陥って斃死するものが多い。
また上下顎、頭骨、骨盤、乳房にも発生します。馬では頭部に発生することがあります。
このほか線維肉腫(fibrosarcoma)が犬の頭骨や長骨に発し、ときに肺に転移して、予後不良に陥ることがあります。
また骨腫瘍は、ほかの腫瘍としばしば併発していることがあります。
以上のほか、非常にまれな骨腫瘍として、多発性骨髄腫(multiple myeloma)・巨大細胞腫(giant cell tumor)・骨嚢腫(bone cyst)などがあります。
また腫瘍類似の骨組織の増殖をきたす疾患の一つとして、肥大性肺性骨関節症hypertrophic pulmonary osteoarthropathy(Marie’s disease)があります(犬)。
治療法および予後
軟骨腫に対しては通常、外科的切除をほどこしますが、完全に摘出できないときには再発することがあり、また悪性化を招くことがあるから注意を要します。
悪性腫瘍は一般に予後不良で、摘出手術や放射線療法および積極的な対症療法が試みられますが、効果はあまり期待できない。
四肢の場合は、早期に断脚術を行ったものは予後は比較的良好ですが、一般に再発することが多く、また転移病巣の多いもの、あるいは手術不能の部位のものでは、予後不良です。

