皮膚の損傷
外傷性骨折では、しばしば皮膚の損傷を伴って、開放骨折が発生します。
尖った骨片が内側から皮膚を外方へ貫くこともあります。また骨折部を被う皮膚が挫創、皮下剥離、皮下血腫などのため、二次的に壊死に陥って、その結果、皮下骨折が開放骨折に転化することがあります。
筋の損傷
開放骨折の場合には、筋の挫傷、断裂、広範な壊死などが合併することがおおい。
血管の損傷
骨折部付近の血管の損傷が著しいと、前述のように大きな血腫(骨折血腫)が形成されます。また太い動脈が損傷をうけた時には、患部の蒼白化、冷却、動脈拍動の減弱ないし欠如が見られ、また広範囲に壊死が生ずることがあります。
開放骨折では、外部に多量の血液が流出します。
また感染の結果、炎症性血栓性静脈炎が発生し、その血栓が膿性になって膿毒症を招くことがあります。四肢の静脈血栓が広範囲にわたる時には、患肢に頑固な浮腫が生じます。
骨折の衝撃によって、無傷の血管が攣縮して血管腔が閉鎖し、隣接する軟部組織に虚血による萎縮と硬化を引き起こすことがあります。
犬の大腿骨骨折のあと、大腿四頭筋の萎縮と硬直がおこって、膝関節の伸展性硬直を見た例が報告されています。
神経の損傷
骨折の際に神経幹が損傷をうけることは比較的まれで、皮下骨折では一般に、神経には異常が少ない。
しかし、神経が骨に直に接して走る部位では、作用した外力によって神経が挫傷をうけて、一時的に麻痺が現れることがありますが、これらは大体2週間以内に回復します。
この種の麻痺は、橈骨神経の挫傷によって上腕の遠位1/3の部分に、また坐骨神経の挫傷によって股関節の部位に、発生することが多い。
腓骨神経、腕神経叢についてもおこることがあります。
また脊椎の骨折では、しばしば脊髄が損傷をうけて、後軀の麻痺が発生します。
開放骨折では、神経断裂(neurotmesis)または軸索断裂(axonotmesis)を見ることがあります。なお開放性に骨片の整復を行う際には、神経を損傷することがあるので注意を要します。
