PR

関節の損傷(Injuries of Joints) ~ 関節の創傷(wound of joints)

関節の創傷 関節の疾患

 
 
関節部の創傷には関節腔にまで達するものと、関節周囲にとどまるものとがあります。
 
 

関節腔に達する創傷

 
 
さまざまの外力によって、関節部の皮膚とともに関節包が外部から破られ、関節が創傷によって外界と交通するものであって、開放性関節損傷(open wound of joints)ともいいます。
 
 
これには切創、刺創、挫創、咬創(犬、馬による)、轢創、射創などがあります。
 
 

症状

 
 
滑液の流出を特徴としますが、しかしその流出が血液に覆われて不明瞭なことがあり、また創口が小さい時は、それが閉塞されて滑液の漏出がなく、むしろ血液が関節腔内に貯溜して、急速な関節の腫脹を招きます(関節血腫hemarthros)。
 
 
切創、挫創などで創口が裂開したものでは、外から滑膜、関節軟骨をみることができます。
 
 
外力が強烈であるか、あるいはすでに、他の種々の原因による関節の異常が存在する時には、受傷と同時に捻挫、脱臼、関節骨折を併発することがあります。
 
 
早期には、関節機能の障害は比較的軽度ですが、一般には機能障害を後遺することが多い。関節は細菌に対する抵抗が比較的弱く、急性化膿性関節炎をおこしやすい。
 
 
化学療法の未発達な時代には関節創は化膿しやすく、かつ全身感染で死ぬ率が比較的高かった。現今では多少好転していますが、動物では、特に小さい刺創のような場合でも決して安全とはいい得ない。
 
 
創口が小さい時は、関節腔まで穿孔しているかどうか明らかでなく、探診を必要としますが、十分慎重に行うべきです。
 
 
関節内に異物が侵入、残留する時は感染の危険が著しく高く、また関節機能の復元が困難であるから、X線その他による検査を行う必要があります。
 
 
多くの場合、受傷時に関節周囲にも損傷を生じ、腫脹を伴うことがあります。
 
 

治療法

一般に感染をおこすものとみなして処置することが肝要で、ことに家畜の四肢の関節においてそうである。
 
治療にあたっては、固定法をほどこして、絶対安静を守らせ、創口は原則として開放のままとし、関節内の異物は摘出します。
 
感染防止につとめます。
 
しかし、新鮮清潔な小さな創は、強力な化学療法を併用しつつ、一時的に縫合して閉鎖し、有窓ギプス包帯などをほどこして関節を固定し、もし関節腔内に滲出液が貯溜する時は、穿刺排除します。
 
創傷が治癒し、感染のおそれがなくなったならば、なるべく早期に固定法を解除し、温浴、熱気浴、電気療法、マッサージ、運動療法などの後療法を開始して、関節の拘縮、強直の予防をはかる。
 
すでに感染したものは、急性化膿性関節炎として処置します。この場合は、一般に予後が著しく不良で、関節強直に終わることが多い。

 
 

関節周囲にとどまる創傷

関節周囲には筋肉、腱、靭帯、腱鞘、粘液嚢、神経、血管などがあって複雑です。
 
創傷によって、これらが損傷をこうむれば、それぞれの機能は多少の差こそあれ障害をうけ、腫脹し、時には関節周囲炎に移行し、関節運動は障害されます。
 
また二次的に、損傷が関節腔内におよぶ場合もあります。時には関節拘縮を後遺します。
 
一般の創傷療法に準じて処置しますが、開放性損傷治療のごとく慎重に行うべきです。

タイトルとURLをコピーしました