球節炎(inflammation of the fetlock joint)
球節とは、馬、反芻獣、豚の中手(足)骨と基節骨との関節をさし、また繋関節ともいいます。関節の掌面には、それぞれ近位種子骨があり、馬では2個、反芻獣では4個、豚では8個です。すなわち中手(足)骨、基節骨(繋骨)、および近位種子骨で球節を構成しているともみられます。
球節は運歩により著しく屈曲します。特に馬が疾走する時は、中手骨と繋骨とは90°前後の角度になるといわれています。
また着地、前進に際して、もっとも激しい運動をする関節です。
また肢端に近い関節であるため、かなり無理な運動を強いられ、さらに他物と衝突しやすい部位です。したがって、この関節周囲には挫傷、挫創、刺創、捻挫、脱臼、種子骨骨折、球節指骨瘤osselets、球節炎とその周囲炎、そのほか腱、腱鞘、靭帯の疾患など多くのものが発生します。
原因
挫傷、捻挫、脱臼などによって、急性漿液性関節炎が発生します。
また球節周囲の挫傷、挫創(交突、追突)により関節周囲炎、さらに刺創あるいは周辺の化膿巣(化膿性粘液嚢炎など)より化膿性関節炎が発症します。
症状
重度の支跛、球節の腹屈がみとめられ、また関節前面には、帯痛性の散漫性腫脹を発し、関節の他動運動(屈曲、伸張)にあたって疼痛を示します。
関節包は腫脹し、波動を呈します。化膿性および腐敗性球節炎となれば症状はさらに悪化し、馬では一般に予後不良です。
また球節直上の内外両側で、中手(足)骨下端に接し、中手(足)骨と繋靱帯の間において波動性の円形腫瘤が現れます。
これは球節関節包の滑膜および嚢状靭帯の慢性漿液性炎のために、関節腔内に漿液が増量したもので、球節軟腫fetlock gallsといいます。
この腫瘤は熱感や疼痛がなく、なんらの跛行を伴いません。馬、とくに老齢馬に多くみられます。球腱軟腫(腱鞘軟腫)とは、関節の屈曲による腫瘤の形状の変化により鑑別されます。
球節指骨瘤は、若い競走馬に急激な調教を課した時に発するもので、変形性関節症の一つと考えられます。
治療法
関節炎の治療法に準じて行います。
ただし、球節軟腫は特に治療を行わない。
犬、猫の指(趾)関節炎(inflammation of interphalangeal joints in dog and cat)
犬、猫の指骨は人と同様5指ですが、第一指はすでに退化しかかっています。趾骨は第一趾を欠き、第二~五趾の4趾です。
各指(趾)とも蹄を形成せず爪をもちます。それぞれ中手指(趾)節関節、近位指(趾)節関節、遠位指(趾)節関節を形成しますが、各関節とも柔軟で、あまり関節炎はおこしません。

