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牛蹄の疾患 ~ 趾間皮膚炎 interdigital dermatitis(dermatitis interdigitalis)

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趾間皮膚炎 蹄および爪の疾患

 
 
趾間の皮膚の滲出性炎で、炎症は皮膚にとどまり、それより深部の組織に拡がらず、また皮膚に深い亀裂を生ずることもありません。
 
 
しかししばしば趾間隙の底側端において蹄球の角質の生成が障害を受けて、蹄球の変形を見るようになります。
 
 
本病は舎飼の牛に発生することが多く、アメリカでは牛舎型腐蹄病stable footrotと呼ばれています。
 
 
ストールに繋がれて床のわらが濡れて汚れている所では、多数の牛が本病に罹り、殊に後肢にしばしば発生します。
 
 
またフリーストール飼育の牛舎でも通路が全面的に汚れ且つ濡れている時には多数の牛に発生し、また前肢の蹄も冒されて、牛群の問題herd problemとなります。
 
 
しかし牛を放牧に出すと自然に、急速に消退することが多い。
 
 
国によりまた地域にもよりますが、しばしば病変部からBacteroides nodosusが分離され、現在ではこの嫌気性菌が主要な病原菌と判定されています。
 
 
人工接種試験でも陽性の結果が出ています。そのほかFusobacterium necrophorumも関与しています。
 
 
病理学的には真皮に細胞浸潤、胚芽層に菌の侵淫が見られ、角化亢進と不全角化が継発します。病因、病性などは羊の伝染性趾間皮膚炎(footrot of sheepとも呼ばれる)に近似します。
 
 
初期には跛行は呈しないかまたは軽度ですが、皮膚に浅い損傷が生じそれが進行して軸側の蹄壁と蹄踵部に坑道をつくり、あるいは皮膚の壊死と落屑がひどくなると、しばしば蹄球びらんが継発して重度の慢性跛行を現すようになります。
 
 
類症鑑別を必要とするのは先ず趾間フレグモーネですが、その場合には皮下織の病変が顕著で、皮膚は趾間が著しく腫脹した場合にだけ傷害されます。
 
 
趾間皮膚炎に対する処置は予防に主眼を置く。
 
 
牛舎内の清潔と乾燥を図り、牛をできるだけ牧野に放牧します。3%ホルマリン液または5%硫酸銅液による蹄浴を定期的に実行します。
 
 
また後肢の内蹄と外蹄の負重にアンバランスがあると趾間の皮膚に絶えず機械的刺激が繰り返されて発病の誘因となるので、定期的に削蹄を行ってこのアンバランスを防止することが大切です。
 
 
飼料にZnを添加すると予防効果があるといわれています。

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