ヒツジバエは体表に多くの毛を生じていますが、ウマバエ、ウシバエより多少少ない。
口器は退化して餌をとりません。
ウマバエ、ウシバエと違ってヒツジバエ成虫は1齢幼虫を産みつけます。
種類および分類上の位置
双翅目:Diptera
短角亜目:Brachycera
ウシバエ科:Oestridae
ヒツジバエ亜科:Oestrinae
ヒツジバエ:Oestrus ovis
ヒツジバエの形態
成虫は10~12mmあり、全体的に暗灰色で頭部は大きく頭胸部は黄褐色で、胸部は黒いいぼ状の小突起が多数存在します。
眼は褐色で頬は白い。翅には黄色の脈があり、脚は黄~黄褐色です。
1齢幼虫は紡錘形で約1.3mm、2齢幼虫は白くて3.5mm~12mmあります。3齢幼虫は白く20~30mmくらいあり、幼虫の口鈎は頑丈でするどい。
蛹は暗褐色か黒色で15~16mmです。
ヒツジバエの生態
羊、山羊、まれに人、犬に寄生することもあります。成虫は春から秋まで活動しますが、ことに夏あるいは秋のはじめのあたたかい日に多く飛来します。
雌は晴天の日に宿主の鼻孔付近に1齢幼虫を産みつけます。鼻粘膜中にいる1齢幼虫の期間は長短があり、1~9ヶ月といわれています。
夏は発育が早いですが、冬では1齢幼虫のまま越冬します。その後幼虫は鼻道、前顎洞、甲介洞などにいたり2齢幼虫となり、さらに3齢幼虫となります。
成熟した3齢幼虫は地上に落ち、1~5日で蛹になります。蛹期間は27~28日あるいはそれ以上で、その後羽化します。
成虫の寿命は1.5~16日です。
ヒツジバエは羊の害虫として重要なもので、本邦にもかなり多くいます。
ヒツジバエの害
ヒツジバエが羊の頭部を飛びまわるので、羊、山羊は頭を振り、地上に鼻を押しつけ、前肢をあしぶみします。
また、食欲はなくなり体重はへる。幼虫が寄生すると、鼻孔から膿汁を排泄し、頭を振り、歯をきしませ、くしゃみをし、呼吸困難となり、時には脳障害を起こします。
ヒツジバエの防除
羊をヒツジバエから守ることは困難です。
鼻孔にいる1齢幼虫を殺すことが第一で、実際には冬期間鼻孔内に殺虫剤を噴霧しています。

